楽曲詳細データ 【W】
弦楽合奏曲リストに掲載した楽曲の詳細情報です。
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作曲者名 アルファベット索引
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作曲者 |
ファン・ヴァッセナール,ウニコ・ヴィルヘルム
van Wassenaer, Unico Wilhelm (1692-1766) |
曲名 |
コンチェルト・アルモニコ 第2番 ト長調
Concerto Armonico No.2 in G major |
作曲年 |
1740年出版 |
楽器編成 |
弦楽合奏(ヴァイオリン4部、ヴィオラ、チェロ・バス、通奏低音) |
演奏時間 |
10分 |
楽章構成 |
第1楽章 Largo ト長調 4/4
第2楽章 Da cappella, non presto ト長調 2/2
第3楽章 Largo affettuoso ホ短調-ホ長調-ホ短調 3/4
第4楽章 Allegro ト長調 4/4
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説明 |
ヴァッセナール伯爵は18世紀オランダの貴族で、ネーデルラント共和国の外交官を務めた人である。熱心な音楽愛好家でもあり、余暇に書き溜めた曲を6曲から成る協奏曲集
Concerti armonici として 1740年に匿名で出版した。
このため長らく作曲者が特定できず、この曲集を出版したイタリア人作曲家のリチオッティ Carlo Ricciotti (1681-1756)
の作とされたり、ペルゴレージ Giovanni Baptista Pergolesi (1710-1736) の作とされたりしてきた。実際、リチオッティやペルゴレージの名前で出版されている楽譜もあるので、楽譜を探すときには注意が必要である。また、曲名も「小協奏曲(Concertino)」となっていたり、曲集に入っている6曲の順番も出版社によって違うことがあるので、こちらも注意が必要である。
曲は、緩-急-緩-急の4楽章から構成されており、いくぶん古風な南イタリアの様式を思わせる。
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出版社 |
ベーレンライター社 Bärenreiter HM82 (スコアとパート譜)
(Ricciotti 作曲の Concertino II として出版されている)
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CD |
Van Wassenaer 6 Concerti Armonici
コープマン指揮/アムステルダム・バロック管弦楽団
Ton Koopman/The Amsterdam Baroque Orchestra
Apex 0927495712 2003年2月25日
(このCDでは、コンチェルト第4番として収録されている) |
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作曲者 |
ウェーベルン,アントン
Webern, Anton (1883-1945) |
曲名 |
弦楽四重奏のための緩徐楽章
Langsamer Satz, für Streichquartett |
作曲年 |
1905年6月 |
楽器編成 |
弦楽4部 |
演奏時間 |
8分 |
楽章構成 |
単一楽章 Langsam, mit bewegtem Ausdruck 4/4 |
説明 |
無調や十二音技法など、前衛的な作風で知られるウェーベルンも、その初期には後期ロマン派の影響を大きく受けた作品を書いていた。初期の作品のうち、特に作品番号のない最初期の作品群はほとんど演奏されることがなかったが、この「弦楽四重奏のための緩徐楽章」は親しみやすく美しいメロディーが魅力的で、近年演奏される機会が増えてきた。
1905年の作曲当時、ウェーベルンはウィーン大学の学生で、前年の秋からシェーンベルクに作曲を師事していた。自筆のパート譜が遺されていることから、この曲も師の前で試演が行われたと推測される。
このころのウェーベルンはのちに妻となる従妹のヴィルヘルミーネ・メルトルと親しく交際し、作曲直前の聖霊降臨祭の休暇にも一緒に下部オーストリア州の美しい自然の中を旅行していた。その旅の楽しさをウェーベルンは日記にも書き記しているという。音楽学者でウェーベルン研究で知られるモルデンハウアー(Hans
Moldenhauer 1906〜1987)は、そのような時期に作曲されたこの魅力的な室内楽を「ウェーベルンの愛の音楽」と評している。
曲はたいへんロマンティックな小品で、どこかシェーンベルクの「浄夜」を想わせる雰囲気を持っている。
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出版社 |
カール・フィッシャー社 Carl Fischer, Inc.
SC24 弦楽四重奏版
AS64 弦楽合奏版(Gerard Schwartz 編曲)
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CD |
Dialogue: Schubert-Webern
Achim Fiedler(cond)/Festival Strings Lucerne
Oehms Classics OC333 (2004年) |
参考文献 |
岡部真一郎「ヴェーベルン 西洋音楽史のプリズム」春秋社(2004) |
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