バナー
本文へジャンプ  

 

楽曲詳細データ 【R】

弦楽合奏曲リストに掲載した楽曲の詳細情報です。

前へ 次へ   

作曲者名 アルファベット索引
A B C D E    F G H I J    K L M N O    P Q R S T    U V W X Y    Z


レスピーギ リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
ルーセル 弦楽のためのシンフォニエッタ Op.52

レスピーギ,O.

作曲者 レスピーギ,オットリーノ
Respighi, Ottorino (1879-1936)
曲名 リュートのための古風な舞曲とアリア 第3組曲
Antiche Danze ed Arie per Liuto III Suite
作曲年 1931年
楽器編成 弦楽5部
演奏時間 16分
楽章構成 第1曲  Italiana イタリアーナ
      Andantino 3/4
第2曲  Aria di Corte 宮廷のアリア
      Andante cantabile 3/4 - Allegretto 3/4 -
      Vivace 3/4 - Lento con grande espressione 3/4 -
      Allegro vivace 3/4 - Vivacissimo 6/4 -
      Andante cantabile 3/4
第3曲  Siciliana シチリアーナ
      Andantino 3/4
第4曲  Passacaglia パッサカリア
      Maestoso 3/4 - Energico e piu animato 3/4 -
      Vivace 3/4 - Largo 3/4

説明  『ローマ三部作』で知られるレスピーギは、マリピエロとともに、20世紀前半のイタリア近代ルネッサンスを代表する作曲家である。少年時代から生地ボローニャの音楽学校でヴァイオリンと作曲を学んでいた。 1900年にペテルブルグの歌劇場のヴィオラ奏者となり、同地で出会ったリムスキー=コルサコフに管弦楽法と作曲を学んで大きな影響を受けた。

 1913年にローマのサンタ・チェチリア音楽院の教授に就任して、同学院の図書館が所蔵する多数の古いイタリアの楽曲に触れてからは、古都ローマを題材にした作品を次々と発表した。「ローマの噴水」(1914〜16)、「ローマの松」(1924)、「ローマの祭り」(1928)のいわゆる『ローマ三部作』がそれである。

 『ローマ三部作』とほぼ同時代に平行して作曲された「リュートのための古風な舞曲とアリア」も三部作を成しており、第1〜第3組曲と呼ばれている。こちらは16〜17世紀のイタリアのリュート曲から楽想を得た編曲で、第1組曲(1917)と第2組曲(1923)は管弦楽のために作曲された。

 弦楽合奏のために書かれた第3組曲(1931)は、弦楽オーケストラにとって貴重なレパートリーであり、よく演奏される。

第1曲「イタリアーナ」
 原曲は作曲者不詳の16世紀末のリュート曲。ヴァイオリンのメロディーを支えるチェロのピチカートの伴奏がリュートを思わせる。

第2曲「宮廷のアリア」
 原曲は16世紀のフランスの作曲家ベサール Besardo による複数の作品。冒頭のヴィオラのアリアの後、リズムとテンポを変えた5つの小曲が続き、最後に再びヴィオラのアリアが戻ってくる。

第3曲「シチリアーナ」
 原曲は作曲者不詳の16世紀末のリュート曲。美しく印象的なシチリアーナ主題を第1ヴァイオリンが繰り返し、他の楽器が変奏で縁取る。

第4曲「パッサカリア」
 原曲はロンカルリ Roncalli が1692年に出版したパッサカリア。荘重な主題がヴァイオリン、ヴィオラ、チェロと歌い継がれ、中間部のテンポ変化を経て、終曲にふさわしいダイナミックなフィナーレに向かう。

出版社 音楽之友社 OGT234(スコア)
リコルディ Ricordi P.R.476(スコア)
CD  

このページのトップへ↑




ルーセル,A.

作曲者 ルーセル,アルベール
Roussel, Albert (1869-1937)
曲名 弦楽のためのシンフォニエッタ Op.52
Sinfonietta pour Orchestre a cordes Op.52
作曲年 1934年
楽器編成 弦楽5部
演奏時間 9分
楽章構成 第1楽章 Allegro Molto 3/4
第2楽章 Andante 3/4
第3楽章 Allegro 2/4
説明  アルベール・ルーセル(1869〜1937)は、若いころ海に憧れて海軍士官になった後、25歳で退役して本格的に音楽の勉強を始めた。晩学のため年齢制限のあるパリ音楽院に入学できなかったルーセルは、オルガン奏者ジグーに作曲を学び、そこで対位法の技術を徹底的にたたきこまれた。この出発点が後の彼の作風を決定づける。

 30歳でスコラ・カントルムに入学してV.ダンディからフランス古楽のポリフォニーを学ぶとすぐに頭角を表し、4年後にはダンディに代わって対位法のクラスで学生を教えることになった。このときルーセルはサティやヴァレーズを教えている。

 ルーセルの作風はダンディやドビュッシーの影響から出発して、1920年代に新古典主義的な独自のスタイルに到達した。音楽全体を貫いて推進する力強いリズム、各声部をくっきりと線描する中で個性的な音響を作り出す対位法的な手法、そして明晰な古典的構成感を特徴とする。

 『シンフォニエッタ』(1934)は代表作『交響曲第3番』(1930)の後に書かれた晩年の作である。60歳を過ぎて肺炎で一時重態に陥ったルーセルだったが、転地療養中に女性指揮者ジャーヌ・エヴラールの求めに応じてこの曲を書いた。同年、エヴラールが指揮する女性だけの弦楽アンサンブルによって初演され好評を博したという。

 曲は3楽章構成。第1楽章では躍動するリズムが支配する速い部分と各パートが線的に絡み合うやや遅い部分が何度か交替する。第2楽章は37小節から成る短いもので第3楽章の導入部となっている。荘重な響きのテーマの中に第3楽章の主題動機が隠されており、その動機が後半のチェロ・バスがリードする中で次第に形を取りながら切れ目なく第3楽章に入る。

出版社 デュラン(パート譜は貸し譜、スコアは売っている)
Durand, Paris
CD クリュイタンス指揮/パリ音楽院管弦楽団
Andre Cluytens/Orchestre de la Societe des Concerts du Conservatoire
東芝EMI TOCE-9823 1998年7月29日

このページのトップへ↑


前へ 次へ  

   更新日 2006年6月7日